市販糸を使用していた頃は、羊の種類や特徴など考えたこともなく、ウール100%の毛糸を購入していました。
手紡ぎをするようになり、市販糸の成り立ちが理解できるようになったのです。
工業用の紡績糸は、コストが最重要条件となります。羊毛は天然動物性繊維のため、同じ品種であっても、その生息、飼育環境、餌など様々な条件の違いで、毛質が異なります。そこで均一な品質の糸を作るためには、毛刈りした原毛を、毛質が違う部位ごとにわけ、作りたい糸の特徴を満たすよう、異なる品種の原毛をブレンドするのです。
肩の部分は、擦れたり汚れたりしにくく繊維も長くて上質ですが、首回りは摩擦でフェルト化し易く繊維も短かです。
市販糸には「ウール100%」の表示はあっても、原毛の種類の表示はほとんどありませんが、
同じ品質表示でも、手触り、光沢などが異なると、値段が全く違う理由がよくわかるようになりました。
世界的な品質基準に合格した製品にのみにつけられる品質保証のマークです。
ウールは、一本一本の繊維が縮れていて、その隙間に沢山空気を含んでいます。
だから、ウールは、夏涼しく、冬暖かい天然素材の繊維なのです。サマーウールは、高級素材として知られています。
ウールの表面は撥水性に富み、静電気が起きにくいため、チリや埃が付きにくく汚れにくいのです。
WOOLMARK…………新しい原毛のみ99.7%以上使用のマーク
WOOLMRK BLEND…………新しい原毛50%と他の繊維をブレンドした素材のマーク
WOOL BLEND…………新しい原毛30〜50%と他の繊維をブレンドした素材のマーク