しっかりと撚りのかかった細い部分と、甘撚りの太い部分が交互に現れる糸を「スラブ糸」と言い、太い部分のことを「スラブ」と言います。原毛種により繊維の長さが異なり、スラブの長さは、その繊維の長さに比例します。
原毛種ごとの特徴を生かす糸のデザインを心がけています。
紡績糸の得意とするところは、太さが均一な糸です。テンションを一定に保つことで均一な糸となり、生産量もアップします。機械ならではの特技です。手紡ぎ糸でも、均一な太さの糸を紡ぐことは可能で、柔らかな風合いに紡ぐことができます。しかし、スピードは紡績糸にはかないません。ならば、紡績糸の得意分野はそちらにお任せして…。
市販のスラブ糸は、太さや色のバリエーションがあまりありません。そこで、小ロットで紡ぎ分けることが可能という手紡ぎのメリットを生かし、大好きなスラブ糸を中心に、自由にデザインしてみたいと思っております。「紡ぎ屋遊楽(ゆら)」は、「遊び心で楽しみながら紡ぎたい」という、私の所信表明でもあります。